「卒乳」と「断乳」の違い
卒乳とは、赤ちゃんの方から母乳を必要としなくなること。つまり、自然に飲まなくなることを言います。
それに対して、断乳とはママの意思や計画で赤ちゃんに母乳を与えるのをやめることを言います。
断乳をする主な理由は、社会復帰や夜泣き改善などが多いです。
今回ご紹介するのは、「スムーズな卒乳をするための方法」ですが、計画的に卒乳に向けて準備するという点では、「ゆるい断乳」とも言えます。
・断乳したいけど、自分にも子供にもあまり負担がかからないようにしたい。
・自然に卒乳したいけど、あまり卒乳の時期が遅くなるもの不安。
というママさんたちに、ぜひ読んでいただきたい記事になっています。
スムーズな卒乳をするための5ステップ
ステップ1:3回食の定着
これは卒乳・断乳どちらに対しても共通することですが、母乳(ミルク)を飲まなくなる=3回の食事で十分な栄養が取れていることが必要になります。
順調に離乳食が進んでいる場合、3回食を始めるのは9ヶ月頃ですが、これが定着するおよそ10ヶ月頃には、これまで母乳メインだった栄養補給の割合が、離乳食メインに逆転します。
そして、やがて離乳食のみで栄養補給が完了するようになり、卒乳への準備が整っていくという流れになります。
この時期よりも前に卒乳または断乳をする場合は、足りない栄養分を粉ミルクやフォローアップミルクで補います。
ステップ2:昼間の授乳回数を1回に
昼間の授乳回数が1回で済むようになっていると、卒乳に向けての第一関門である「夜間授乳の卒業」が成功しやすい傾向にあります。
昼間は授乳間隔が空いても機嫌よく過ごしているということは、夜中も同じようにそれくらいの時間は授乳がなくても大丈夫ということです。
ただ、赤ちゃんは眠りのサイクルが短く、再入眠するのがとても下手くそです。
そこで毎日の夜泣き対応にクタクタなママがついついやってしまうのが、添い乳。
起き上がらなくていいし、本当はお腹が空いていなくてもおっぱいを咥えると安心するので、赤ちゃんはすぐに再入眠してくれます。
添い乳はママにも赤ちゃんにも、とても便利ですが、実はこの癖が夜泣きの原因になっていることがあります。
ステップ3:夜間授乳の卒業
夜間授乳を卒業することができれば、卒乳はもう8割完了していると言っても過言ではありません。
ただ、母乳で寝かしつけをしている・夜中に頻回授乳(添い乳)をしているママにとって、夜間授乳の卒業は超難関です。
ちなみに私の場合、「え?今日から突然いらないの?」という感じでかなりすんなりと卒乳しましたが、
この夜間断乳への挑戦は2、3回失敗を繰り返しています。
なぜなら、寝かしつけも母乳&夜中は添い乳のオンパレードだったからです。
10ヶ月近く夜中の夜勤を続けた挙句、もう無理だ!と思って夜間断乳に挑戦。
何度か失敗するも、やっと夜間断乳に成功したお話をこちらの記事で紹介しています。
夜間断乳に挑戦する際は、私のように何度も失敗しないためにも一度読んでみてください。
[card id=”1951″]ステップ4:授乳以外の寝る前のルーティンを作る
なかなか卒乳できないと悩むママのほとんどがやめられないのが、寝る前の授乳です。
これは完ミ育児の場合もそうですが、なかなか卒乳できない理由として、「母乳またはミルクを飲んでから寝る」というルーティンが癖づいていること事がとても多いです。
これを改善するために私たちにできるのは、授乳以外の寝る前のルーティンを作ってあげることです。
例えば、我が家の場合は、
・歯磨きをして、水分補給
・お気に入りの人形を持って寝る部屋に移動
・ディズニーのドリームスイッチを10分程度鑑賞
・一緒にゴロゴロとしているうちに入眠
娘の場合は、寝るときにトントンされたりするのが嫌いなので、基本的にはドリームスイッチのお話を見せながらゴロンとさせているだけです。
入眠にかかる時間は日によって違いますが、やはり体をよく動かして遊んだ日は早いですね。
他にも、本を読んだり、一緒にねんねの歌を歌ったりと、卒乳の前に授乳以外のお子さんに合う寝る前のルーティンを見つけてみましょう。
ステップ5:おっぱいを思い出させない生活
卒乳をしたいと考えているママは、まず「自らおっぱいを差し出す」ということをやめてみましょう。
今までの癖でつい、そろそろおっぱいが欲しい時間かなと思って「おっぱいいる?」と聞いてみたり、無意識のうちに授乳の体勢に入ってしまっていることがあります。
私たちのそういう癖が、お子さんにおっぱいを思い出させている=なかなか卒乳できない原因になっている可能性があります。
ただ、母親の本能として「お腹空いてないかな」とおっぱいを差し出してしまう気持ちもわかります。
卒乳はあくまでお子さんが自然におっぱいを必要としなくなることなので、ママもお子さんもまだまだ授乳を続けたい場合は卒乳を意識したり、断乳をする必要はありません。
ちなみに日本は、世界的にみてもかなり乳離れの早い国です。
WHOは2歳以上でも母乳を与えることを推奨していますし、なんと世界平均は4.2歳です。
なので、ママとお子さんの環境さえ整っていれば、長く授乳を続けることは何の問題もありません。
ちなみに我が家の場合は、夜間断乳成功後、授乳回数が一気に減り、0歳11ヶ月の時点で授乳が朝か夜の1回のみという日が多くなっていました。
そして、1歳のお誕生日の日にお祝いで疲れたのかお風呂に入っている途中で寝落ち。
そのまま次の日の朝も、おっぱいではなく起きてすぐパンを欲しがり、その後は一度もおっぱいを要望されることはありませんでした。
卒乳はこんな風に突然やってくるとは予想もしておらず、最後の授乳の写真も収めることができなかったのが残念です。
卒乳の敵は添い乳?!今すぐやめよう!
面倒でも起き上がって授乳しよう
なかなか卒乳できない・断乳に成功しないと悩んでいるママに共通して言えることが、「添い乳をしている」ことです。
私もずっと添い乳をしていたので、その便利さは身に染みるほど分かります。
毎晩何度も夜泣きの対応をして、寝不足と疲労はたまるばかり。起き上がって授乳だなんて冗談じゃありません。
しかし、これがまさに乳離れできない原因。
添い乳とは、お子さんもママも寝転んだままの体勢で授乳することです。
これをお子さんの目線から見ると、咥えたまま寝たはずのおっぱいが夜中に目を覚ますとない!どこいった?!と不安になり泣き出します。
そしてママは、面倒なのでまた寝たままの体勢で授乳をします。
それを繰り返して頻回授乳になっている場合、お子さんはおっぱいを飲んでいると言うよりは、おっぱいを咥えて安心しているだけ。
そして、何度も夜中に頻回授乳をすることでママだけではなくお子さんの眠りの質も下げてしまっています。
このように添い乳はとても便利ですが、デメリットも多いので、面倒でも起き上がって授乳する習慣をつけましょう。
これが、卒乳・断乳を成功させる第一歩です。
おしゃぶりや哺乳瓶も活用して
夜泣きの際に、授乳の代わりに使えるオススメアイテムは哺乳瓶とおしゃぶりです。
ママの乳首と感覚が似ているので効果的で、これならパパでも夜泣き対応出来ますよね。
枕元に、お茶かお水を入れた哺乳瓶を置いておくと良いでしょう。
ただ私の娘のように、哺乳瓶もおしゃぶりも大嫌いという子もいます。
そんなお子さんに試して欲しいのが、ピジョンのスパウト。
咥えると哺乳瓶とストローの間くらいの感覚で、哺乳瓶やおしゃぶりが嫌いな子にもオススメですよ。
卒乳後の変化〜子供編〜
10時間以上連続で寝るように
卒乳して一番嬉しかったのが、夜の睡眠の質がぐんと上がったこと。(ママも子供も)
夜は10時間以上連続で寝てくれるので、ママにも1年ぶりにぐっすり眠れる日々が訪れました。
夜泣きがなくなってから娘の寝起きも良くなったし、私だけではなく子供の睡眠の質も上がったようです。
朝からご機嫌な日が多く、朝ごはんもたくさん食べてくれます。
日中が活動的に
夜の睡眠の質が上がったことにより、お昼寝の時間は短くなりました。
午前中はしっかり公園で体力を消耗させないと、お昼寝が30分で終わったり、なかなか寝付けずグズグズしたりしてしまいます。
ただ、日中かなり活動的に動けるようになったので、公園や児童館の他にも、商店街を散策したり、電車に乗って出かけたりと娘と2人でも色々なところに外出しやすくなりました。
今日は何して遊ぼうかなと考えたり、体力を消耗できない雨の日は大変ですが、
夜はたくさん寝て、日中は活動的に動くことで私も子供もすごく健康的な生活リズムを保てています。
ご飯の量が増えた
ご飯の量が増えたなと一番感じるのは朝食です。
夜中の授乳がなくなったことで、朝起きたらしっかりお腹が空いているという状況を作ることできるようになりました。
これは9ヶ月検診の時に離乳食がなかなか進まないことをお医者さんに相談した時のお話ですが、離乳食の量と夜中の授乳は深く関係しているのだそうです。
夜間に本当は必要でない授乳を行うことで、最もお腹が空いていないといけない朝に満腹状態になってしまっている。
だから朝食をしっかり取れず、結局お昼前にはまた授乳。
これでは、授乳回数も減らなければ、離乳食の量も増えないということでした。
このお話を聞いたことが、私が夜間断乳を行おうと思った一つの理由でもあります。
そして夜間断乳が成功してからは、お医者さんの言っていた通り明らかに離乳食の量が増えました。
卒乳後は尚更です。
私の娘は超がつくほどの偏食ですが、白ごはんは大人と同じくらいよく食べます。
モリモリと美味しそうにご飯を食べる姿を見ると、卒乳をしてまた一つ成長したのだなと感心します。
卒乳後の変化〜ママ編〜
寝不足解消で体力が回復
卒乳をしてから娘の睡眠時間が格段に長くなり、産後はじめて本当の意味でしっかり回復したのではないかと思います。
2〜3時間で起きる生活が1年近く続いていたので、卒乳直後は私の方がうまく眠れなかったほどです。
ただ1週間もすると私も本来の生活リズムをあっという間に取り返し、連続7時間睡眠をした翌日のスッキリ具合に感動!
一度おさまった夜泣きが3歳近くでまた始まったという恐ろしいお話も聞くので、今後夜泣きがぶり返さないことを願うばかりです。
パパに任せられるようになった
授乳という仕事さえなければ、パパにできない育児はもうありません。
もちろん現実には、これはママでなければ嫌ということはたくさんあります。(例えば、歯磨きやお風呂など)
でも、「物理的にできない育児はない」=パパが育児でもっと活躍するチャンスなのです。
例えば卒乳したことで、今まで寝かしつけはママ一択でしたが、パパも参加するようになりました。
それを続けていると、今ではパパだけでも寝るようになりました。(むしろパパが良い日もあります)
こういう形で、育児という分野でも男性と女性の差がなくなっていくのが、多くの家庭にとって理想的なのではないかと思います。
自分の時間ができた
正直これが卒乳して一番嬉しかったことです。
子供が産まれてからずっと欲しかったもの、それは「自分の時間」です。
卒乳したことで、夜泣きもなくなり、子供が寝た後は自分の時間ができるようになりました。
夜泣きがあった頃は、早く寝ておかないと夜中がしんどいと思って、子供と一緒に寝ることが多かったのです。
また、卒乳して昼間の活動が活発になったことで、夜の寝つきもよくなり、かなりリズムが整ってきました。
睡眠時間と自分の時間の確保で、日々の子育ての中でイライラすることも減ったのかなと思います。
(ただ現在はイヤイヤ期真っ只中なので、また違う大変さを味わっています。)
まとめ
卒乳は、子供の意志でおっぱいを飲まなくなること。
本当に何の対策もせずに、パッとある日突然おっぱいを必要としなくなる子も中にはいますが、
やはり卒乳の前には何かしら準備をするママがほとんど。
そろそろ卒乳してもいいかなと思っているママさん、スパルタではなくゆるゆると断乳したいママさんには参考になるお話ができたかなと思います。
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