二拠点生活と子育ての両立
私たち家族は、東京都品川区と山口県下関市(地元)で二拠点生活をして暮らしています。
この二拠点生活は、元々フリーのWebデザイナーだった夫が独身の頃から実施していた生活スタイルで、結婚し子供が生まれた現在も続けています。
家賃がもったいない!お金がかかる!
など色々と問題もある二拠点生活ですが、それ以上にメリットもたくさん感じています。
ただし!!
一番厄介なのが、子供の保育園または幼稚園のこと。
二拠点で生活している場合、子供の保育園や幼稚園はどうなるのでしょうか。
今日は、子連れ二拠点生活の中で起こる子供の保育園or幼稚園問題について、お話ししていこうと思います。
①保育園に預けたい場合
二重在籍の禁止
仕事やその他の事情で家庭保育が難しい場合は、子供を保育園に預けますよね。
しかし、保育園に関しては「福祉サービス」の一環であるため、A市(1拠点目)の保育園に通っている場合、B市(2拠点目)の保育園または幼稚園に在籍することは法律上認められていません。
待機児童の問題もありますし、保育園に入ることができるのは基本的に住民票がある地のみとなっています。
長期休園は退園対象
保育園では、本当に保育が必要な家庭に保育園を利用してもらえるように、長期休園は退園事由となります。
長期で休園する=家庭保育が可能なのではないかという判断になるからです。
1人の子供が長期で休園している間、他の子供を受け入れて待機児童を1人でも減らすことが保育園、厚生労働省のお仕事なのです。
自治体によって規定は様々ですが、2ヶ月以上通園しない場合は退園となる保育園が多いです。
そもそも保育園には受かりにくい
二拠点生活で保育園に通わせる難しさは、上記以外にも理由があります。
まず、みなさんは保育園と幼稚園の違いについてご存知でしょうか。
(私は子供を産むまで知らなくて、調べました。笑)
✅保育園とは、厚生労働省管轄の家庭保育が困難な保護者のための「児童福祉施設」
国の定めた基準により、家庭保育がどの程度困難であるか点数をつけられ、その点数が高い保護者が優先で保育園に子供を預けることができる。
✅幼稚園とは、文部科学省管轄の「学校教育施設」。
保護者の就業状況は入学の判断基準にはならない。
これを踏まえた上で、なぜ二拠点生活ファミリーが保育園に受かりにくいのかというと、二拠点生活ファミリーは保育点数が低い場合が多い(つまり、家庭保育が可能な場合が多い)からです。
保育園の優先度が高い(保育点数が高い)のは、両親ともにフルタイムの会社員、シングルマザー&ファザー、かつ祖父や祖母が近くにいない家庭です。
一方で、二拠点生活をしている家庭では、両親共に完全在宅勤務であったり、フリーランスや経営者、専業主婦(夫)というような、比較的自由度の高い仕事についている場合が多く、保育点数は低くなる傾向にあります。
都会だけではなく、田舎でも保育士の不足などの問題により待機児童はまだまだ解消されていません。
そんな中で、保育点数の低い家庭はどうしても保育園への入り口が狭くなってしまうのが現状です。
②幼稚園に預けたい場合
二重在籍は園次第
保育園とは違い、幼稚園の場合は二重在籍を認めている園もあります。
(保育園と幼稚園の二重在籍は、保育園の法律上NG)
私立幼稚園の場合は特に、二重在籍禁止の規定がなく、柔軟な対応をしてくれるところが多いです。
ただし、保育料の無償化については適応される園は1箇所のみなので、2つの幼稚園に同時に在籍する場合は出費が嵩みます。
2、3ヶ月の休園はOK
幼稚園では、2〜3ヶ月の休園であれば届出一つで認められることが多いです。
ちなみに娘が3歳から通う予定の幼稚園では、3ヶ月までの長期休園は書類を1枚書くだけでOK!
里帰り出産や留学などの特別な理由がある場合は、最長6ヶ月まで休園可能です。
休園中は保育料の半分を負担することになっています。
園バスや給食費も休園期間中はかからないし、3歳以上は無償化対象の幼稚園なので、実質はほとんどタダで籍を置いておけます。
期間や料金の規定は様々かと思いますが、私立幼稚園では基本的に長期休園を認めていて、それが理由で退園になるということは少ないです。
二拠点生活には幼稚園の方が適してる?!
以上のことを踏まえると、二拠点生活ファミリーには幼稚園の方がライフスタイルに合っている&通わせやすいのかなと思います。
👩でも幼稚園は保育園と違って保育時間が短いよね・・・?仕事もあるし、お迎えが間に合わないんじゃない?
と不安になるママも多いと思いますが、実は最近では働いているママでも幼稚園を選択する方が増えています。
理由は、
✅幼稚園も保育料無償化の対象となり、どちらに通わせてもかかるお金があまり変わらなくなったこと
✅幼稚園側が働いているママ向けに延長保育を充実させたこと
にあります。
通常、幼稚園は14時までで終わりですが、延長保育を使えば保育園と同じくらいのお迎え時間まで預かってもらうことができます。
娘の幼稚園も、延長保育は17時まで利用可能で、2号認定(共働きの家庭が申請するもの)を取れば延長保育料にも国の補助が出ます。
また、夏期保育や冬季保育など通常幼稚園がお休みの期間も保育を行なっています。
あなたの二拠点スタイルに合わせた選択肢を選ぼう
短距離二拠点生活の場合
二拠点生活スタイルは、「短・中・長距離」の3つに分けることができます。
まず、短距離二拠点生活とは、例えば東京と千葉の田舎など車で少し走ればいける場所に2拠点目を構えるスタイルです。
距離だけではなく、仕事が休みの土日や夏休みの間だけ田舎で過ごすというように、滞在の期間も短くなります。
この場合、子供の預け先に関する問題は特にありません。
1拠点のみで生活している場合と同じように、普段は保育園または幼稚園へ通い、2拠点目に滞在している(仕事が休みの間)は家庭保育でいいでしょう。
中距離二拠点生活の場合
中距離二拠点生活とは、例えば東京と東北地方、大阪と北陸地方などと新幹線で2〜3時間くらいの場所に2拠点目を構えるスタイルです。
土日の2日間だけではゆっくりできないので、中距離二拠点生活の場合は1〜2週間滞在できる休み期間やリモートワーク期間に滞在するのが理想です。
そのくらいの期間であれば、普段保育園に通っている子供がいたとしても休ませることは可能ですし、1拠点目で保育園・幼稚園どちらに通っていても大きな問題はないでしょう。
ただし、2拠点目でも在宅勤務等で家庭保育が難しい場合には預け先を探しておく必要があります。
短期間なので、一時保育やベビーシッターを利用する方法がいいでしょう。
長距離二拠点生活の場合
長距離二拠点生活とは、例えば東京と福岡、東京と沖縄などと飛行機で移動しなければならないほど遠い場所に2拠点目を構えるスタイルです。
移動に時間も交通費もかかるので、なるべく滞在期間は長くしたいですよね。
私たち家族は実際、2〜3ヶ月ごとに東京と山口を移動しています。
こういった距離的にも期間的にも長い二拠点生活を送っている場合は、仕事に関しても場所にとらわれない職業の方が多いのかなと思います。
例えば、Webデザイナーやエンジニアなどパソコンさえあれば、どこでも仕事ができるような。
このような長距離二拠点生活をしている場合、保育園だと長期休園が難しいため、子供の預け先は幼稚園を選択することをオススメします。
両方の拠点で幼稚園に在籍することも可能ですが、幼稚園の二重在籍には以下のようなデメリットもあります。
- お金がかかる(2拠点目の保育料は、国からの補助が出ないので全額自己負担となる)
- 二重在籍OKの幼稚園を両方の拠点で探す必要がある
- 子供が幼稚園に慣れるのに時間がかかる
- 子供がストレスを感じてしまう可能性がある
二拠点生活で子供の預け先に困ったときのために・・・
メインの居住先で保育園や幼稚園に通っていても、二拠点目で生活している時に、パパもママも仕事で家庭保育が難しい日は困ってしまいますよね。
そんな時のために、二拠点目の居住地でもいつも利用する一時保育先を決めておくと安心です。
一時保育を実施している場所
一時保育は、主に
- 公立・私立の認可保育園(認定こども園を含む)
- 企業主導型の認可外保育園
- 児童館
- NPO法人
などで行っています。
お住まいの地域で利用できる場所を調べてみましょう☝️
オススメは認可外保育園
まず、先に挙げた4つの一時保育実施先のメリットとデメリットを紹介していきます。
認可保育園
メリット:施設数が多い、料金が安い、他の園児と一緒にお散歩に行ったり給食を食べたりできる
デメリット:予約が取りにくい、月の利用回数に制限がある
認可外保育園
メリット:他の園児と一緒にお散歩に行ったり給食を食べたりできる、園によって様々な特色がある、予約が取りやすい、月の利用回数に制限がない
デメリット:料金が高い、施設数が少ない
児童館
メリット:気軽に利用できる、料金は比較的安い(1h500円程度で認可外よりは安い)
デメリット:児童館の預かり室内でしか遊べない(狭いところが多い)、お弁当持参、預かり時間が短い
NPO法人
メリット:気軽に利用できる、料金は比較的安い(1h500円程度で認可外よりは安い)、施設によって特色がある
デメリット:児童館よりは広い施設が多いがお散歩や給食はなし、預かり時間が短い
預ける頻度や時間帯の希望、どんなところに子供を通わせたいかによって、主な一時保育先だけでも、こんなに違いがあります。
そんな中、なぜ私が認可外保育園の一時保育をオススメするかというと、
- 保育時間が長い(通常9時〜17時)
- 予約が取りやすい
- 他の園児さんと関われる
からです。
料金は少し高いですが、二拠点目で一時保育を利用する頻度はそんなに多くないと思うので、そのほかのメリットを考えるとオススメかなと思います。
まとめ
子連れ二拠点生活で誰もがぶつかる「保育園・幼稚園」問題。
預け先は模範通りに一つに絞らなくても、いろいろな施設やサービスを利用することで二拠点生活にも対応できることがわかりました。
私も調べ始める前は、子供が保育園や幼稚園に通い出したら二拠点生活も終わりかなと思っていましたが、意外と対応できることが判明。
今はまだ小学校に入学するまで東京と山口を行き来する生活を続けられることを嬉しく思っています。
娘が小学校に上がる頃には、田舎にいる間はリモート授業OKなんて小学校も出てくるかも?!
多様化する生活様式に合わせて、日本の教育も柔軟に変化していくことに期待です!
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