投資は教育資金を貯めるのに向いてない?!
お金が必要な時=儲かっている時とは限らない
実は、投資は教育資金を貯めるのには向いていないと言われています。
その理由は・・・?
投資というのは、どんな種類のものでも引き出すタイミングというのが重要です。
例えば、1株1000円で買った株を、900円に値下がりしたタイミングで引き出す人はいませんよね。(損切りを除く。)
1株1100円に値上がりした時に引き出して儲けを出すというのが、投資の目的ですから。
そんな引き出すタイミングが重要な投資は、急な出費やあらかじめ必要な時期が確定している教育資金の貯蓄には不向きと言えます。
投資のプロでもない一般人が、子供が大学に入学する○年後に値上がりしている株や投資信託を見極めるのは、かなり難しいですよね。
「お金が必要な時=儲かっている時とは限らない」というのが、投資は教育資金を貯めるのには不向きだと言われている理由です。
リスクを減らすには長期運用が基本
投資は長期運用するほど、損するリスクを軽減できると言われています。
なぜなら、短期間で見ると上がったり下がったり価格がコロコロと変動している投資商品も、10年・20年・30年という長い期間で見てみると、ゆるゆると右肩上がりになっているものが多いからです。
(というより、右肩上がりになっている商品を選ぶのが基本です。)
- 短期運用:ハイリスク、ハイリターン
- 長期運用:ローリスク、ローリターン
教育資金を貯めるという目的からすると、必ず必要になるお金になるべくリスクは背負いたくないので、長期運用がオススメ。
また長期運用は、複利効果を最大限に活かせるのもメリット。
これは、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、投資の利益も投資に回り、さらに利益を生むという効果のことです。
毎年毎年、利益が元本に加わって投資が継続されるので、この複利効果は投資期間が長いほど効果を発揮するということになります。
なので、教育資金の貯蓄に投資を考えている方は、早く始めれば始めるほど、リスクを軽減し良い成果を残せるでしょう。
投資を上手に使って賢く教育資金を貯めよう
貯金や保険と併用して
先ほど述べたように、投資には教育資金を貯めるのに向かない一面があります。
ただし、だからと言って貯金だけ、学資保険だけに頼るのもNG。
貯金は、100が100にしかならないので貯めるのが大変ですし、効率も悪い。
学資保険は、途中解約で元本割れのリスクもあるし、保険だけで教育費全額をまかなうのは厳しいです。
投資にもデメリットがあるように、他の貯蓄方法にもやっぱりデメリットはあります。
そんなそれぞれのデメリットをなくすためには、うまく併用するのが一番。
例えば、国からの子供手当を毎月貯金に、毎月1万円を学資保険に、そしてもう1万円は投資に回す。
こんな風に貯蓄方法を分散すると、毎月の生活費への負担も最小限に、効率よく教育費を貯めていくことができます。
投資に回すのは5割以下に抑える
貯金、学資保険、投資の中でどうしても一番リスクが高くなってしまう投資に充てるお金は、5割以下にとどめておきましょう。
ちなみに我が家は、(貯金:保険:投資=4:2:4)と、割と投資の割合が大きめ。
理由は、夫も私も元々つみたてNISAや株をしていることもあり、投資を始めるハードルが低かったからです。
あとは単純に貯金が苦手です(笑)
しかし私たちとは逆に貯金は得意だけど、投資は始めてで不安という方は、(貯金:保険:投資=7:2:1)くらいから始めてみると良いと思います。
教育資金に限らず、このように貯蓄方法を分散させることは、それぞれのデメリットをカバーするだけではなく、資産を守ることにもつながります。
子供の教育資金を貯めるのにオススメの投資方法3選
株式投資の長期運用
株式投資とは、会社が資金集めのために発行している株式を購入し、その対価として株主総会の議決権や配当金・株主優待を受け取る権利を得るものです。
配当金や株主優待を受け取れるだけでなく、株式を安く買って高く売ることで利益を出すこともできます。
毎年の配当金や株主優待を換算すると、銀行に預けておくよりもはるかに良い利回りが期待できます。
一方、買った時よりも株価が下がり損をしてしまうリスクもあるので要注意です。
しかし、このリスクは長期で運用することによって軽減できるので、お子さんがまだ小さく教育資金が必要になるのは、10年・15年後という方にはオススメの投資方法です。
株式投資で教育資金を作ろうと考えている方は、リスク分散のため業種の違う株式を複数購入することをオススメします。
さらにNISA(少額投資非課税制度)を使うことで、年間120万円の投資額が最大5年間非課税となるので、株式投資をする際はこの制度を利用するのがいいでしょう。
※ただし、NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか使えないので、既につみたてNISAをしている方は利用できません。
教育資金の貯蓄に向いている理由
- いつでも引き出し可能
- 長期運用でリスクを軽減
- NISAを使えば5年間非課税運用が可能
投資信託
投資信託とは、私たちが投資したお金をひとつの大きな資金として、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。
その運用成果が、私たちに分配される仕組みになっています。
投資信託は、1つのファンドの中に色んな株式や債券が詰め込まれているので(バリューセットみたいなもの)、一つ持っているだけで分散投資ができるのが最大のメリット。
その分、手数料が発生してしまいますが、最近はその手数料もどんどん安くなっています。
リスクを最小限に抑えたい方は、債券比率の多いファンドやバランス型ファンドを選ぶと良いでしょう。
教育資金の貯蓄に向いている理由
- プロが運用するから初心者でも安心
- いつでも引き出し可能
- ローリスクのファンドを選んでリスクを軽減
ジュニアNISA
ジュニアNISAとは、日本に住む未成年(0~17歳)の子供のみが利用できる資産形成のための非課税制度です。
以下に特徴をまとめてみました。
- 最長5年間投資可能(廃止が決定しているので今からだと2年が最長)
- 年間80万円分は非課税
- 国内外株式、投資信託、EFT、IPO銘柄まで取引可能
- 5年後もロールオーバーでそのまま成人まで非課税(追加投資は不可)
- いつでも引き出せる(改正ポイント)
このようにみると、良いことだらけのジュニアNISAですが、口座開設者の数は伸び悩みついに来年の2023年で廃止が決定してしまいました。
なぜ人気が出なかったのかというと、当初このジュニアNISAは18歳まで引き出しができず、引き出した場合は遡って課税されるという設定だったからです。
[say name=”まき” img=”https://irielife.jp/wp-content/uploads/2019/12/23151B4C-27C0-402D-A29D-DE72761C3978.png”]子供の教育資金のために積立を始めるのに、18歳まで引き出せないなんて話にならん。[/say]ですが、皮肉なことに廃止が決まったと同時にこの部分が改正され、
- いつでも引き出しOK
- それまでの非課税分もそのまま
となったのです。
ここのデメリットが消えたとなると、私個人の意見ではありますが、始めない手はないかなと思います。
特に子供が小さければ小さいほど、非課税の期間(成人まで)が長くなるのでオススメです。
教育資金の貯蓄に向いている理由
- 子供の名義で貯蓄ができる
- いつでも引き出し可能
- 非課税で運用できるから節税にも効果的
- ローリスクのファンドを選んでリスクを軽減
【注意】子供の教育資金を貯めるのに向かない投資方法
iDeCo
iDeCoとは、皆さんも知っての通り年金制度の一つです。
原則60歳に到達するまで、掛け金と運用益を受給することは出来ませんので、教育資金を作ることには不向きです。
ただし、国民年金や厚生年金にプラスの老後の資金を確保しておくことで、iDeCoの掛け金以外は、安心して現状の生活費や教育費に充てることができるという点で、間接的に教育資金の貯蓄を手助けすることは出来ます。
教育資金の貯蓄に向かない理由
- そもそも利用目的が違う
- 原則60歳に達するまで受給できない
つみたてNISA
先に登場したNISAとジュニアNISAは、教育資金を貯めるのにオススメなのに、なぜつみたてNISAはオススメしないのでしょうか。
ポイントは、非課税期間の長さです。
非課税期間が5年であるNISAとジュニアNISAに対して、つみたてNISAの非課税期間は20年とかなり長いです。
正確にいうと、教育資金作りに向いていないのではなく、教育資金として途中で引き出してしまうのがもったいないということです。
つみたてNISAの最大のメリットは、非課税期間が20年もあること。
20年もの間、非課税で投資信託を運用できると、どれだけの得になるでしょうか。
例えば、〈毎月の積立額が3万円で想定利率が5%の場合〉
20年運用すると、非課税になる金額は100万円を超えます。
子供が0歳の時から、積立NISAを始めていたとしても20年の非課税期間が終わる頃には成人していて、最も教育にお金がかかる時には役に立ちません。
途中で引き出してしまうと、つみたてNISAのメリットを最大限に発揮できなくなってしまうので、教育資金の貯蓄には向かないという結果になっています。
ただし、非課税期間内に自分の保有している投資信託が値上がりして、今が売り時だなと思った場合はもちろん売却もOK。
非課税期間内なので、税金もかかりません。
つみたてNISAは、オススメにもランクインしたプロが運用する投資信託を投資対象にしているので、株式投資に比べてリスクも少なく、初心者にはとてもオススメの投資方法です。
メインの教育資金ではなく、子供の結婚資金や就職祝い、ひとり暮らしの準備金などとして、利用するのがいいでしょう。
教育資金の貯蓄に向かない理由
- 非課税のメリットを最大限に発揮できない
FXなどリスクの高いもの
FXや先物取引、ビットコインなどリスクの高いものは教育資金の貯蓄には向いていません。
ハイリスクなものに手を出してまで教育資金を貯めなくても、奨学金制度や子供自身にバイトで稼いでもらうこともできるので、全額を貯める必要はありません。
子供の教育資金を作るのに、大損を出してしまっては元も子もありませんよね。
こういったリスクの高い投資は、必ず余裕資金でしっかりと勉強をした上で始めましょう。
教育資金の貯蓄に向かない理由
- 教育資金を貯めるにはリスクが高すぎる
まとめ〜投資初心者にも分かりやすく〜
教育資金の貯蓄に向いているもの
- 株式投資→長期運用するほどリスク減
- NISAが使える人は、最初の5年間は非課税で運用するのがオススメ
- 既につみたてNISAを利用している人は、NISAの非課税枠が使えません
- プロが運用する投資信託は初心者にオススメ
- 手数料はかかるが、どんどん安くなっていっている
- 改正後のジュニアNISAがアツい!
- 18歳になる前でもいつでも引き出し可能で、それまでの運用益も非課税
教育資金の貯蓄に向かないもの
- iDeCoは老後の年金で60歳まで受給できないのでNG
- つみたてNISAは20年の非課税期間を最大限に利用できないので教育資金にはオススメしない
- ただし保有商品が値上がりして、今が売り時と思えば途中で引き出しも可能。もちろん売却益も非課税。
- つみたてNISAは、子供の就職祝いや一人暮らし資金、結婚資金作りには向いている
- FXや先物取引、ビットコインはリスクが高いので教育資金作りには絶対にNG
- リスクが高いものは、必ず勉強して余裕資金でやりましょう
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